江戸時代の書物『雲根志(うんこんし)』によると、その死を憐れんだ僧侶によって、石になった鶏が祠におまつりされたことが起源と伝えられます。『韓詩外伝(かんしがいでん)』には「冠を戴くは文なり、足に距(けづめ)を持つは武なり、敵前に敢えて戦うは勇なり、食を見て相呼ぶは仁なり、夜を守って時を失わぬは信なり。」とあり、鶏は文武勇仁信の五徳に優れるとされ、またその鳴き声は神様の出現を知らせる特別なものと云われます。
鶏石神社は、鶏がたまごを産みそのたまごが孵化するように、形のないところから物事が成就する修理固成(しゅりこせい)の御神徳があるとされます。鶏をお祀りしている神社は全国に珍しく、例祭日には鶏に関連する企業の方も数多く参詣され、また、鶏は夜鳴かないことから子どもの夜泣きにも御利益があると言われます。
鶏石神社のお隣に並ぶ稲荷神社の御祭神は、保食大神(うけもちのおおかみ)という食べ物を司る神様です。香椎宮創始より祀られ、かつては鶏石神社と同じように、子どもたちがお餅をお供えしたり、甘茶を入れて参拝者に振る舞う風習があり、食べ物への感謝を忘れずにいました。鶏石神社にお参りの際は、どうぞ稲荷神社も合わせ御参拝下さい。
修理固成とは「つくりかためなせ」とも「おさめつくりかためなせ」とも読み、古事記には「ここに天つ神諸の命もちて、伊邪那岐命、伊邪那美命、二柱の神に「この漂へる國を修め理り固せ成せ。」と詔りて」とあり、日本国土を形成なさる上で与えられた重要な言葉です。鶏石神社は温めたたまごがかえるように、念願だった諸事万端がいよいよ成就する御利益があると言われます。
日頃私たちは鶏や卵をはじめ、多くのいのちを口にして生きています。しかしその日常を改めて振り返り、真摯に向き合う機会は、そう多くはありません。鶏石神社には、いのちを頂くことへの感謝と鎮魂の祈りを捧げる方々、鶏に関連する企業の方々などが多く参詣されます。
鶏は朝日とともに鳴きますが、夜にその声を聞くことはありません。鶏石神社は子どもの夜泣きを防ぐと言われます。また子どもの神さまとされ、地域の子どもたちはかつてお餅をお供えしたり、甘茶を入れて鶏石神社の参拝者に振る舞ったりと、幼い頃の感謝を忘れずにいました。
最も貴い神である天照大御神は太陽の神さまであり、鶏の鳴く朝もやの中東の空に昇って私たちを明るく照らします。太陽の神の使いである鶏はその鳴き声で太陽をお招きする縁起の良い動物とされ、伊勢の神宮をはじめ多くの神社の境内で見かけることができます。
『韓詩外伝(かんしがいでん)』には「冠を戴くは文なり、足に距(けづめ)を持つは武なり、敵前に敢えて戦うは勇なり、食を見て相呼ぶは仁なり、夜を守って時を失わぬは信なり。」とあり、鶏は文武勇仁信の五徳に優れるとされます。
たまごの形をした絵馬。念願がいよいよ成就する「修理固成(しゅりこせい)」の御利益があります。鶏石神社そばの絵馬掛け所に掛けます。
たまごの形をしたお守り。たまごがかえるように念願だった諸事万端がいよいよ成就する「修理固成(しゅりこせい)」の御利益があります。
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≪開門時間≫
4月~9月 5:00~18:00 10月~3月 6:00~18:00